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電通「鬼十則」に学ぶ生き方の話

otane.hatenablog.com

今や、単体の総合広告代理店では世界でトップクラスの電通

いち早くテレワークを導入したことで話題を呼んだことは記憶に新しいですね。

僕も、会社員時代は電通の営業マンとは毎日のように接点を持っていたが、彼らには鬼十則にならうビジネスにおける心構えが根付いていました。

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  1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるものではない
  2. 仕事とは、先手先と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない
  3. 大きな仕事と取組め、小さな仕事は己れを小さくする
  4. 難しい仕事を狙え、そしてそれを成し遂げるところに進歩はある
  5. 取組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・
  6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのでは、永い間に天地の開きができる
  7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫そして正しい努力と希望が生まれる
  8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には迫力も粘りも、そして厚味すらない
  9. 頭は常に前回転、八方に気を配って一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ
  10. 摩擦を恐れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる

しかし、昨今話題を呼んでいる「ブラック企業」とやらのワードにお踊らされるように、この「鬼十則」は叩かれる事が多くなったのも事実です。

日本経済が危機的局面に達し働き方が多様化している今こそ、最強の広告会社を作ってきた電通鬼十則」から教訓を引き出したいと思います。

鬼十則」は”最強のバイブル”

本質を追求するが勝ち

結論から言うと、「なぜ」と考えられる人・組織が強いということである。これが、「鬼十則」に学ぶ教訓です。つまり、物事の本質を見極められるかどうかなのです。

 

鬼十則」とは、電通4代目社長の吉田秀雄さんが、自らが実践する仕事への心構えをとりまとめたものです。

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吉田秀雄と言えば「広告の鬼」と呼ばれる、日本広告業界の礎を築いた人物です。

43歳にして電通の社長に就任し、電通再建はもちろんの事、日本の広告業界の確立に留まらず、戦後日本の産業社会の発展に熱く燃えた男です。

そんな吉田さんがまとめた「鬼十則」は少々言い回しが荒いこともあり、厳しさが窺えます。

一方で、PR(パブリック・リレーションズ)の導入やマーケティングの先駆的実践、近代広告会社の実現など枚挙にいとまがない実績を残す、剛と柔を兼ね備えたビジネスマンでした。

吉田秀雄の功績

 この、吉田さんによる鬼十則の功績は、仕事における「HOW TO」の部分を明確にしたことだと思います。

これを心に留めておけば、成長することができると示されている。社員の志高い行動規範として、全社的な成長を促すことに成功した要因でもあると思います。

言い回しはきついですが、70年以上経った現代のビジネスや生き方においても、成功(勝利)へ導く行動を示してくれています。

  • 長期の計画は忍耐と工夫、そして正しい努力と希望を生む
  • 取組んだら放すな、殺されても放すな 

この部分は個人的にとても好きなフレーズです。

なんと過激な、、、とは1ミリも思いません。

特に、「殺されても放すな」の裏には2つの意味があると考えられます。

「殺されても放したくないような仕事をする」

「取り組み始めたら最後まで自分の責任」

大きくこの2つの意図を感じます。

そして、この文化が根付いている電通の社員と対面で仕事をしたときには、永くにわたる組織としての強さが垣間見られた気がしました。

鬼十則」の反省

最強のバイブルとして受け継がれてきた「鬼十則」ですが、その存在意義はどこにあったのでしょうか。

戦後日本の産業革命に乗じて、電通という会社が広告業界において強固な地位を確立し、メディアとの共存をもって成長していくことが吉田さんの志であり、成功を意味していたのではないかと思います。

それは70年以上前の状況下においては当然の目指すべき世界だったのかもしれません。

しかし、現代の広告会社の存在意義はどうでしょうか。

広告会社としての川中での立ち位置はひと昔前ほど強固なものではありません。

海外からは、強大なプラットフォーマーたちが媒体となり、広告のハードルを下げつつあります。広告主たちは代理店を通さずして、広告を出せるようになってきています。

さらに、広告主の規模は小さくなり数は増えています。

世の中のあらゆる媒体が広告として成立するようになり、代理店に求められる提供価値は70年前とは違うものであることは確かです。

そんな環境下での「鬼十則」は、もはや目先の利益を追いかける弱者の行動指針と化していると言っても過言ではないのかもしれません。

いつの間にか資産であるはずの社員が、経営者の承認欲求を満たす道具として扱われるようになっていたのです。

つまり、かつては日本の発展や広告業界の地位確立を背景に存在していた「鬼十則」が、現代では「存在意義」に迷う過激な言葉たちとしか受け入れてもらえなくなってしまったということです。

鬼十則」が悪いものだとは思いません。

成功のバイブルとして受け継がれるべき教訓であることには間違いありません。

しかし、物事を捉える時に外してはいけない視点が「WHY」(なぜ?)という観点ではないかと教えてくれています。

今求められている本質は何なのか?

勝つためのバイブルよりも、変化を恐れない存在価値を高めるマインドが持続的な成功のカギなんだと気づかされるのです。

 

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